『養生訓』を読む、10
貝原益軒(若き頃は、損軒)によれば、人は皆、長命なの
である。養生法さえ守れば長生きできる。
欲に取りつかれて身体を失うのは、刀で自殺するようなものである。
不摂生と自殺とは、死期の違いこそあれ、自分で自分を害すると
いう点で同様なのである、という。益軒の云うには「養生」とは
「畏れ」の一字なのである。畏(おそ)れるというのは身を守る心の
法である。人間の欲望を我慢し慎むのである。
朝は早く起き、夜は遅く寝て、四民それぞれ自分の家業をよく勤め
る、これ即ち『勤勉即養生の道』である、というのである。
益軒は儒者であって医者ではない。彼の知識は中国の古典に
拠っているが、『養生訓』を読むと、これらの知識に盲従せず、自身
の経験的な実証主義に基づいて著述しているのが分かる。
『古来医術の書物は、しばしばかたよって全体を見ていないものが
多い。近世明末の医者にその弊害がみられる。よく選んで取得しな
ければいけない。』などと述べている。
さて総論はかくのごとしである。
具体的に益軒は、飲食、飲酒、五官、二便、洗浴、の項で
実際的な養生の法を述べる、、、、、、
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